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クリスマスなので犬神家の一族ケーキをつくった

ミステリ 記事

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 クリスマスだ。クリスマスといえばチキンにケーキに、とにかくおいしいものが食べられる日である。肉も甘いものも大好きなのだが、ふたついっぺんに食べるとなるとカロリーやら脂質やらが気になってしまう。しかし今日だけはそんなことは考えなくてもいい。クリスマスなのだ。

というわけで今回は、『犬神家の一族』をモチーフにしたケーキをつくった。

 

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これなら自分にもできそう! と目にした瞬間思った。

 

○まずは完成図をご覧ください

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美白モードになってしまったのかやたら明るい。

 「犬神家をモチーフにしたケーキ」とだけ書いても想像できないと思うので、先に完成したものを見ていただこう。

前面にはスケキヨの顔をデザインし、頭部にはお馴染みの池から突き出したあの足と金田一探偵が立っている。

今回はこの『犬神家の一族』をモチーフにしたケーキの作成過程を紹介する。

 

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設計図。拙いながらもやりたいことは伝わるはず。

 

○クリスマスのスーパーはたいへん賑わっておりました

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ケーキの前にちゃんとチキンも食べた。

 

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あれもこれもと買い足しているうちにけっこうな量に。

まずは材料の買いだしだ。足りなくなってまた買い物に行くのが嫌だったので、とにかく多めに買ってしまった。

もともとはシフォンケーキパンの裏面に書いてあった簡単なケーキの作り方を見て思いついた企画なのだが、改めてスーパーに行ったら専用のスポンジケーキが見つかったのでそちらも購入。

 用意したもの一覧

スポンジケーキ
シフォンケーキパン
・ホイップクリーム
・チョコペン
ホワイトチョコレート
・抹茶ラテ
・ねりきゃんランド
・おゆまるくん
・エリーちゃん

 

○プールであの足の真似をして怒られた人も多いはず

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犬神家といえばやっぱりこのシーン。

ケーキの製作はAmazonプライムビデオで映画『犬神家の一族』を見ながら行った。

犬神家といえばこれだろう。「横溝正史」の名前を知らずとも、この池から足が突き出ている印象的なシーンだけは知っている人も多いだろう。

 

 ○ひみつ兵器「おゆまるくん」で型をとる

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これが「おゆまるくん」だ!

足は人形から型を取ってつくる。

今回使うのは「おゆまるくん」。お湯につけると柔らかくなり、冷やすと固くなる。非常にわかりやすく扱いやすいアイテムだ。シリコンなども興味はあったものの、うまく扱える自信がなかったので今回は見送り。

 

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お湯の中にいれて少し待つと柔らかくなる。

 

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エリーちゃんから取った足をぎゅっと押し付ける。

足はダイソーで買える人形「エリーちゃん」 を使用。
このエリーちゃん、工作をする人のなかではお馴染みのアイドルのような存在らしい。頭が陥没していたり、今日な部分から髪がでていたりしたが、必要なのは足だけなので問題ない。

 

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うえから色違いのおゆまるくんを被せて足を閉じ込める。

 

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左右の足の型を取る。

お湯につけて温めたおゆまるくんにエリーちゃんの足を押し付けて型を取る。かなり倒錯した気分になり、「これは横溝ではなく乱歩なのでは?」と頭がぐるぐるしてきた。

おゆまるくんに足を封じ込めたら冷凍庫で冷やす。固まるのを待つ間に土台に取り掛かろう。

 

○たくさん食べたいので大きくつくりました

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スポンジケーキの土台。紙を剥がすのが下手で毛羽立ってしまった。

 

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うえにシフォンケーキパンを乗せてボリュームアップ。バランスの悪さは気にしない。

土台にはケーキ用のスポンジの上にシフォンケーキパンを乗せたものを使用する。直径がだいぶ違ったので、顔にする正面の部分だけを揃えて、後ろははみ出ても気にしないようにした。

 

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混ぜるのは大変なので、しぼるだけで使えるクリームを用意した。

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クリームを塗ったうえに缶詰のフルーツを並べる。

生クリームを泡立てるのは大変なので、塗るだけでいいものを買ってきた。楽できる部分はどんどん楽をしていこう。

当初はいちごを使うつもりだったが、高いのでフルーツ缶に切り替えた。いちごは一パック600円だが、フルーツ缶は100円だ。しかもすでに切れているのでそのまま使える。楽ができて安いのなら、そちらを選ばない理由がない。

 

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この作業中クリームで手がべたべたになって何度も手を洗うことに。

 

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なだらかにするのにたっぷり30分はかかった。

 フルーツを挟んだ土台にクリームを塗っていくのだが、これが思っていた7倍くらい難しい。初めて英検4級を受けたときに、たかが4級だと油断していて不合格だったことを思い出す。

クリームをきれいに塗ろうとすると、どうしても力が入ってしまう。すると使っているバターナイフにクリームが持っていかれて土台がむき出しになってしまうのだ。クリームを綺麗に塗るには、ちょうどいい力加減を保ったままゆっくりとナイフを動かす必要がある。パティシエがマッチョな理由がわかった。これは筋力がいる。

なんども失敗しながら、どうにか土台を作り終えた。

 

○飾りつけ

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チョコプレートが売ってなかったので、普通の板チョコで代用。

 

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20分くらい書き直して、どうにか読めるレベルまでもってきた。

土台のうえの飾りを作る。今回はチョコで『犬神家の一族』とタイトルを書く。

チョコペンは最初溶かさねば使えないことに気付かず、二分くらい必死に固いままのチョコと格闘していた。お湯で柔らかくしたあとも、かなり力をこめないとチョコが出てこない。温めすぎてしまうと文字が読めなくなってしまうので、両手でチョコペンを握りしめ、プルプルと震えながら文字を書いた。

なんだなんだ、やっぱりケーキ作りは筋力なのか。

 

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抹茶を買うつもりだったが、抹茶ラテの方が安かった。

 

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うえから振りかける。

 

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藻で緑色になった池を表現。

ケーキの上が真っ白ではさびしいので、抹茶ラテの粉を振りかけた。これは池を表現している。池の水は「藻が女の髪の毛みたいに絡まって、一度沈んだら浮かんでこない」などというセリフもあったもあったはずだし、緑色に澱んでいるイメージがある。

ちなみにこの藻、食べると甘く、じゃりじゃりした食感で美味であった。

 

 ○人形はなぜ冷やされる

冷蔵庫で冷やしておいた足がすっかり固まったころなので、これを取り出していよいよメインともいえるあの足を作る。

 

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固まったおゆまるくんを力づくで剥がす。

 固まったおゆまるくんからエリーちゃんの足を取り出せば型の完成だ。おゆまるくんもがっちりとくっついていたが、すき間から無理やりこじ開けるように剥がした。

 

○食べられる粘土、ねりきゃん

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「食べれる 粘土」で検索して見つけました。

足はこの「ねりきゃんランド」というお菓子を使う。 手で練って好きな形にできるソフトキャンディだ。味も食感もハイチュウに近い。

食べられる素材で比較的自由に成型できるものを探した結果これに行きついた。よくクリスマスケーキに乗っている砂糖菓子のサンタのようなものを作りたかったのだが、普段あまり料理をしない自分にはうまくつくれる自信がなかったので、これを見つけたときは踊りながら喜んだ。

 

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中には五色のキャンディが入っているので、これを組み合わせて好きな色をつくる。

 

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ピンクと黄色の組み合わせで肌色ができた。

さきほど作った型の中に肌色のねりきゃんを詰めて、ぎゅっと形を作る。

 

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バリができてしまったので、爪で剥がして整える。

 ねりきゃんがちぎれないように身長に型から取り出せば、食べられるあの足の完成だ。

 

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水色の土台に突き立てて立つようにした。

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やわらかいので、少し目を離すとすぐにやる気をなくす。

 

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余ったねりきゃんで金田一耕助もつくった。

 

 ○犬神家と言えばこの男

さきほどプレートに文字を書いたチョコペンで、ケーキにスケキヨの顔を描いたのだが、作業に夢中になりすぎて途中経過の写真を撮るのを忘れていた。

というわけで、さっそく完成画像をご覧いただこう。

 

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正面からアップで。

いまさらの説明になるが、「スケキヨ」とは『犬神家の一族』の登場人物で、犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛の孫であり、戦争により顔が焼け爛れ常に白い不気味なマスクを被っている怪人物である。

 

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素顔を見せるこのシーンも、あの湖面の足と同じくらい有名だろう。

 

 ○いよいよ完成間近

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プレートはすぐに倒れるので裏で爪楊枝で支えている。

土台のスケキヨができたので、今まで作った飾りを乗せていく。

犬神家の一族』プレートはすでに乗せているので、あとは足と金田一耕助だ。

 

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エリーちゃんの足で型を取ったので、細くて安定しなかった。

窓を開けて室温は下げていたのだけど、ねりきゃんが柔らかくなっているので支えていないと足がすぐに池に沈んでいってしまう。写真を撮るときはスピード勝負だ。犬神家ケーキにはパワーとスピード、両方が求められる。

なにはともあれ、これにて「犬神家ケーキ」完成である。

 

 ○完成! 犬神家の一族ケーキ

それでは、完成したものをもう一度ご覧いただこう。

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頭のうえにはあの足と金田一探偵。

 

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裏側。シフォンケーキの方が大きいのでチョコで支えている。

 

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映画のタイトル画面と一緒にどうぞ。

 


○ケーキはおいしくいただきました

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ケーキ入刀! 

映画では手斧での殺人シーンもあったが、さすがに一般家庭に手斧はないのでナイフで切る。

 

横溝正史はやっぱり面白い

もともとは「ケーキにロウソク代わりに足を立てたらいいんじゃない?」くらいの発想だったのだが、犬神家というテーマを与えた途端にあれよあれよとイメージが膨らんでいって、むしろ土台のスケキヨのインパクトの方が大きくなった。金田一耕助に至っては設計図の段階では思いつきもしていなかったのだ。

ミステリ好きの友人に写真を見せたら評判がよかったので、次は八つ墓村の懐中電灯ケーキをつくってもいいかもしれない。

そして何より作業中に見ていた『犬神家の一族』は、やっぱり面白かった。

 

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クリスマスとはいえ、ちょっと食べ過ぎたかもしれない。

 

製作協力:辰野衣子