ウユニ塩湖に行きたくても行けないので自宅に塩湖をつくった
ウユニ塩湖という場所を知っているだろうか。
「天空の鏡」との異名を持つ湖で、CMやアニメのオープニングでよく使われている。塩湖という名の通り、塩でできていて、固まった塩が鏡のようになるので、景色が綺麗に反射する。晴れているときならば雲が湖に反射し、まるで空の上を歩いているような状態になれるそうだ。
一度その神秘的な光景を見てみたい。
しかしウユニ塩湖はボリビアにある。ボリビア……聞いたことはあるような気がするが、どこにあるのかまったくわからない。調べてみると南米の国だそうだ。……南米。それだけで一生行く機会がないことがわかってしまう。縁遠い異国の絶景……。
そんなウユニ塩湖、行きたくても行けないので、いっそ自宅でつくってしまうことにした。
〇これです
画像検索「ポカリスエット たけし」
〇興味はあるけど50万円払うほどではない
さて、そのウユニ塩湖だが、実際に行こうとすると50万円ほどかかるらしい。さらにはどんなにコンパクトなツアーを選んだところで、どうしても一週間以上はかかってしまうようだ。
ウユニ塩湖の塩、買ってみたけど普通の塩だった。
ウユニ塩湖は見てみたいが、50万円と10日はかけたくない。6万円のパソコンと1万円のモニターが欲しくてほしくてたまらないのに買えない自分としては、そんな金額を払って塩を見に行くことなどとてもできないし、なんなら50万円と聞いた途端に行きたくもなくなった。
原産国がボリビア
〇これが自宅塩湖だ
「自宅に塩湖をつくる」といっても、何がしたいのかわからないと思うので、先に完成品を見せておく。あえて写真の明るさを修正していないので少し暗いかもしれないが、雲が反射して写っているのがわかるだろう(わかってください)。
〇仕組み
ウユニ塩湖がなぜ鏡の風景を反射するかというと、「水たまりの底が白かったら、いつもよりよく反射するよね」ということらしい。理解できなかった人はお父さんかお母さんに聞いてみてほしい。
ここで何がいいたいかというと、「塩と水があれば再現は可能」ということである。
ボリビアじゃなくて瀬戸内なので安い。そしておいしい。
〇水に浸して固まるまで待つ
塩を容器に入れる。
こんもり。最初は分量を量っていたけど途中から目分量になった。
水をそそぐ。
スプーンを使ってなるべく平らにならしておく。
固まるまで冷蔵庫に2、3日入れておく。
作り方は簡単なので写真のみでお伝えしたい。水で濡らした塩を固めるだけである。ビーフストロガノフの100分の1以下の手間で済むぞ~。
カチカチになった塩。(試作のものなので上の写真と容器が違います)
ひっくり返しても大丈夫。
〇青空をもとめて
塩湖そのものは完成したので青空を映しに行こう。撮影は8月に行ったので写真のようなきれいな青空の日もあったのだ。
よく晴れている日を待った。
塩と水筒をもって公園に行く。
あれ?
何度か試したのだけど、うまくいかない。水をこぼさないためには水平を保つ必要があるのだが、水平にすると今度は空がうまく映らないのだ。
塩湖を地面に置いてしまうと木や草が邪魔になる。きれいに空を映すためには地平線が見えるような広場か、障害物のない高い建物の上にいかなければならない。
近所の歩道橋からとったもの。支える腕がつらい。
少しでも傾けると水がこぼれて枯れた大地があらわになる。
なるべく障害物のないところを求めて荒川の河川敷まで行ったが、むしろ草木が多くて雲は取れなかった。せめてなるべく高いところに行こうと目に付いたホームセンターに入った。
荒川沿いにあるホームセンターの屋上へ。
ここなら障害物も(左右のマンションをのぞいて)あまりない。
綺麗な景色を見ると、心が綺麗になります。
結論からいえば、完全な無駄足だった。
〇フリー素材って便利よね
さきほどの完成品の画像、あちらの背景の雲は写真なのだ。フリー素材を印刷して立てかけた。
真夏の暑い日に河川敷を歩き回る必要はなかったのだ。むなしい。むなしいが、しかし無駄な行動といえば、こうして塩湖をつくる行為そのものが人生には必要のない行為なので、無駄は容認する方針でやっていく。
これがあこがれの「天空の鏡」です。
〇たけしっぽいおっさん探し
鉄道模型用のミニチュア。ザ・人間。
せっかくなので人を立たせない。塩湖のイメージはたけしなので、なるべくたけしっぽい恰好のフィギュアを探した。
ヨドバシカメラのおもちゃコーナーをさんざん歩き回ったすえに見つけたのが、鉄道模型のミニチュアだ。昭和の風景を再現する需要があるのか、なんとなくたけしっぽい雰囲気のものがおおい。
「佇む人々」という商品名も渋くていいじゃないの。
なんとなく姿勢がたけしっぽい。
たけし、着水!
パタン、スイー
そのままでは立たなかったので、土台をつけて対応する。
パッケージを切り取ってL字型にした。
OK!
〇塩湖塩湖塩湖
青空をうまく反射させるために裏側にライトを仕込んでいます。
印刷の粗さには目をつぶってください。
綺麗なものの裏側ってこんなものよ。
固めた塩のうえに水を注ぐだけで、ウユニ塩湖とまったく同じ風景をつくることができた。ウユニ塩湖は大自然の偶然による産物だが、こちらは自分で手をかけてつくったぶん愛着がある。旅行に行ってすごいものを見たという以上の体験ができたのではないだろうか。
ないだろうか、ではない。ない。できていない。実際にウユニ塩湖に行った方が感動する。だからなんだ。
とはいえ、やっぱり思い付きを形にする工程は面白い。
〇塩湖コレクション ~えんこれ~
では最後に、塩湖で撮った写真とともにお別れです。
夕暮れ。
大相撲塩湖場所。
塩湖に浮かぶ寿司セット。
たけし。
塩湖で鹿に囲まれるたけし。
〇おしまい
今回やったなかで一番きれいな写真。
ズルをしました。
撮影から記事にするまで数カ月空いてしまいましたが、こうなると記憶もあいまいだし熱量も失われているしでいいことないっすね。
ちなみに、タイトル画像につかった写真は今回つくった塩湖ではなく、鏡を使いました。ズルです。鏡は綺麗に反射していいです。塩湖より鏡ですよ。
寝て起きたら預金が50倍になってますように。