1年後に他人のおしっこを黄色くするツイート。

覚えているだろうか、1年前にバズったツイートを。

全てのチーズ好きに伝われ的なアレンジレシピをしっかり覚えていて、おふくろの味として代々受け継いでいく家庭があったらちょっと嫌だし、忘れていい。むしろ忘れてくれ。

ただ俺は覚えているものがある。「キューピーコーワヒーリング」だ。

5時間しか寝てなくても30時間寝たくらい疲れ取れるから

店頭に掲示したら薬事法にひっかかりそうなキャッチコピーの反響は絶大で、1回分2錠100円で買えるというお手軽さも相まってコンビニから姿を消した。

当時の投稿を探したが削除済みだった。1万以上リツイートされていたはずだ。

 最近になってようやく品薄が解消され店頭で見かけるようになった。 近所の100円ローソンに山積みになっていたので、3つ買ってきた。

特徴としては「カフェインが入っていないので就寝前にも飲める」というもので、他のシリーズと比べて特別な成分が入っているわけではなさそうだ。

栄養ドリンクを飲んで動くのではなく、栄養ドリンクを飲んでから休むといつもより回復できるという理屈だろう。 たぶん。

効果のほどはわからない。よく寝られた気もするし、いつもと変わらないかもしれない。ただひとつ明確な変化としては、おしっこが黄色くなった。

まだあとひとつ残っているので、明日もよく寝ておしっこを黄色くしたい。

 

hc.kowa.co.jp

ここで逆立ちハミング相撲をとらないでください。

お気に入りの場所がある。公民館の屋上の広場だ。

4階の建物の屋上なので、それなりに高さがある。身長より高い柵には注意書きが『危ないのでのぼらないでください』。

柵の向こう側にも少しだけスペースがあって、見ていると「あそこに立ってみたい!」という心がうずくので、やんちゃな小学生ならやりかねない。

しばらくはその注意書きひとつだったが、ある日新しいものが追加されていた。

『ここからモノを投げないでください』

投げたやつがいるんだ。そうでなければわざわざ書かない。下は公園になっているので、何かを投げて遊んだのだろう。

中学生のときに丸めた紙くずを窓から投げて下にいるやつがキャッチするという遊びが流行ったことがある。ただそれだけのものなのに妙に楽しいから困ってしまう。

遊びを初めて十数分後、先生が教室に入ってきた。キャッチしている様子は他の教室の窓からも見えるのでバレていたのだ。

一緒に遊んでいた連中と一列に並ばされて「自分たちが何をしたのかわかってるのか!」

「……すみません」

「……俺はやってません」

「……俺もやってません」

「……俺もやってません」

「……俺もやってません」

となって、俺だけ怒られたことがあるのでわかる。並ぶ順番が悪かった。しかもみんなが俺を裏切ったのではなく、俺がみんなを裏切ったという扱いになったのだからやりきれない。証拠がないのに自白して仲間を巻き込むやつは、役立たずだ。

あのときの馬鹿な自分たちと同じように、モノを投げて遊んだやつがここにもいた。

『モノを投げないでください』

だから注意書きが増えたいのだ。もし、彼らがモノを投げずに別の遊びをしていたらどうだろう。スキップしながら鼻毛を抜いていたら……。

「ここでスキップ鼻毛抜き選手権を開催しないでください」

という貼り紙が追加されていたのだろうか。見てみたい。やってみようか。

では、逆立ちした状態でハミングしながら相撲をとったら……

「ここで逆立ちハミング相撲をとらないでください」

危ないから。

 

娯楽に飢えたカンフードラゴン

北海道には2種類ある。札幌とそれ以外だ。自分はそれ以外の方で生まれて育った。

中学生の頃は、とにかく娯楽に飢えていた。

本、マンガ、ゲームは今思えばお金のかからない娯楽だったが、月1000円のこづかいでは毎週ジャンプを買っただけで全額消えてしまう。

無料でいくらでも楽しめる娯楽としてインターネットにはまり、親の目を盗んでパソコンを起動させオカルト板で延々とウミガメのスープに興じることになるのは、もう少し先になる。

テレビでも見ていればよかったのだけど、祖父、父、母、姉、弟とチャンネル争いをする気力はなかった。そこで目をつけたのはラジオだ。

ちょうど母が新しいプレーヤーを買ったので、古いラジカセが一台余っていた。カセットテープとCDが聞ける青いラジカセ。

部屋に持ち込んで周波数を合わせる。音楽にはあまり興味がなかったので、面白い話が聞きたい。AMだと、HBCラジオSTVラジオだ。新聞にはテレビだけじゃなくてラジオの放送スケジュールも載っていると知ったのはもう少しあとのことで、最初はただ流しっぱなしにしていた。

なんだかよくわからない人が話をしていて、なんだかよくわからないけど面白い。テレビだと「連ドラ主演の〇〇さん」「例の事件で話題の〇〇さん」「金メダリストの〇〇さん」と必ず肩書きが紹介されるので、誰かもわからない人の話を数十分も聞き続けるのはラジオならではの体験だ。

そうやって、なんとなく聞いているうちに好きな番組もできてくる。

今でも覚えているのは、ラジオの魂『ラジ魂(こん)』という番組だ。トムとシュンジという二人組がパーソナリティだったが、彼らが何者かはわからない。

会話の様子から、トムの方が年上だとわかる。彼の口から「シュンジは好きな女の子を口説くためにバンドをつくった」という発言を何度も聞いた。シュンジはどうやらミュージシャンらしい。

知りたければもっと詳しく調べることもできただろうに、結局よくわからないまま聞いていた。ラジオから流れてくるトークが面白ければ、何者でもよかったのだ。結局、中学高校の4~5年くらい、上京してHBCラジオが受信できなくなるまで聞き続けていた。

あれから十数年経った今でも『ラジ魂』は続いているらしい。

番組でよくかかっていた曲があって、それが好きだった。パーソナリティの大俊治さんのバンド、ロミオマシーン「カンフードラゴン」。

YouTubeにライブの映像があった。コール&レスポンスをしようとしているものの、コール10に対してレスポンス2くらいの反応でソワソワしてしまう。そうだ、こういう人だった。何者かはあまり知らないけど、俺はこの人をよく知っている。

 

 


「カンフードラゴン」 ROMIOMACHINE