デジタル耳栓で集中して作業しよう。
キングジムのデジタル耳栓がなかなかの優れものだった。
デジタル耳栓とは何か。ヘッドホンにはノイズキャンセル機能の付いたものがあるのをご存じだろうか。そのノイズキャンセル機能だけを抜き出したのがデジタル耳栓だ。イヤホンの形こそしているものの音楽は聴けない。
私はちょっとした物音で集中が乱される性格(婉曲な表現)で、軽めの聴覚過敏だ。人ごみなどの騒々しい場所は苦手だし、地下鉄が大嫌いで引っ越しをするときも地下鉄沿線の地域は候補からまっさきに外した。
デジタル耳栓はそんなちょっとした「ざわざわ」を消してくれる。
パッケージがものすごくダサい以外はいい商品である。
本体以外にグレーの巾着、XS、S、M、Lのイヤーピースが付属していた。キングジムの巾着なんてこの商品のおまけ以外に存在しているのだろうか。
耳の穴が小さくてカナル型イヤホンが使えないのが悩みなんだけど、このデジタル耳栓も同じ形をしている。耳栓として使用するのだから当然といえば当然なんだけど、長時間つけていると痛くなるので、
ソニー SONY ハイブリッドイヤーピース EPEX11SS : SSサイズ 4個入り ホワイト EPEX11SS W
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- 発売日: 2012/06/10
- メディア: エレクトロニクス
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とりあえずこれを買った。
カナル型イヤホンが痛くてつけられない人は結構な数いるはずなのに、今はほぼそちらが主流で困ってしまう。
「コンプライのイヤーピースなら耳の穴が小さい人でも快適に使える」といった情報も目にしたけれど、イヤーピースにしてはちょっと高すぎる。
Comply(コンプライ) Tx-500 イヤーピース 3ペア Mサイズ ブラック HC19-50101-01
- 出版社/メーカー: Comply(コンプライ)
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パッケージ裏はこんな感じ。環境音を90%カット!という文字が心強い。
緑の丸いのはコードが絡まないようにしてくれる。
単四電池1本で動く。電池は別売り。
さて肝心の機能だけど、これがちょっと感動するくらい良かった。
デジタル耳栓のスイッチを入れた途端、自分の周囲から音が消えたのだ。まったくの無音というわけではないが、分厚い膜が一枚張られ、その内側で守られているような感覚になった。
初めて使ったとき、部屋ではエアコンと除湿器が稼働していた。これらの駆動音を特にうるさいと感じることはなかったのだけど、デジタル耳栓をすると「ゴー」という低い音はほぼ聞こえなくなった。
エアコンの音は聞こえなくなった。アプリの騒音計で測ってみたら58.4dBだった。
除湿器。感覚としてはエアコンより少し大きめの音なのだが、騒音計では50.8dBの表示。
デジタル耳栓をすれば音はほぼ聞こえない。近くに寄ればかすかに「コー」という音が聞き取れる程度だ。
台所の換気扇。57.9dB。これはデジタル耳栓をしていても音は聞こえた。体感としては音量が四分の一程度になり、主張が抑えめになっていた。
アプリの精度があまり良くないのか、それとも音の種類によっては打ち消せないのかもしれない。
説明書にも300Hz以下の騒音にしか効果がないという記述があった。
肝心な部分なのだけど、人の話し声は聞こえる。
つけたまま会話をしてみたところ、ほぼ問題なく相手の声を聞き取ることができた。若干くぐもって聞こえるが、これは音を出していないカナル式イヤホンをしているときと同程度なので、ノイズキャンセル機能というよりは物理的に耳が塞がっていることが原因だろう。
テレビの音や音楽も人の声動揺に若干音量は小さくなるものの聞き取ることができた。耳栓をしながら音楽を聴くこともないだろうけど、作業中にBGMが欲しい場合も対応できる。
喫茶店やファミレスなど、騒がしい場所での効果はこれから試してみようと思う。
ものすごく大きな欠点としては、耳栓をしたままコードに触れると「ガサガサ」とコードの音が伝わってくるので集中どころではなくなってしまう。これでは本末転倒なので、無造作にポケットに入れて使うわけにはいかない。コードに手が触れないように本体を置く位置などにはかなり気をつかう必要がある。
すべての道はテレビに通じる。
テレビ、好きですか? 僕はまあまあです。
深夜にテレビを見ていると、ふとテレビ業界の人は「すべての人が最終的にテレビに出るのを目標として生きている」と思っているのではないかと考えることがある。
一部の例外はあるものの基本的にはお笑い芸人やアイドル、タレントはテレビ出演を一つの目標として活動しているのは間違いないだろう。テレビにでるまでの期間を「下積み」と呼ばれ、テレビにでたことで「売れた」と評されるのはそういうことだ。
しかしそうでない業界からひょっこりテレビに出てしまう人も多くいる。医者、オカマ、モデル、スポーツ選手、棋士、作家、歌手、、格闘家、バイオリニスト、大家族などなど、本来テレビに出ることが目標ではない人たちがテレビにでて、いつの間にかタレントとして活動しているのは珍しくない。
例えば幼いころから日々鍛錬を続けてオリンピックに出場したスポーツ選手、本人の認識としてはテレビタレントとしての仕事は「新たな目標」なのか「頑張ったご褒美として稼げるボーナスタイム」なのかはわからないが、テレビ業界の人から見れば「オリンピックにでたことでテレビの世界への切符を手に入れた人」になるのでは。
話は変わるが、あなたの町の奇人はどんな人だろうか。目立つ格好をして町を練り歩く人を見たことがあると思う。そんな町の奇人がテレビにでているのを目にする機会も最近は増えた。「あっ、あの人だ!」と少し嬉しくなると同時に、「結局ただの目立ちたがり屋か」と少し残念になる気持ちが生じる。勝手だが、町の奇人たちにはもっと自由で横暴といてほしいという期待があったのだ。テレビの取材などには応じず、糞をぶん撒いて追い払ってほしい。他人の目を気にしないから珍妙な格好をしているのではなく、他人を目を気にしているから珍妙な格好をしていると気づかされてしまったのだ。
町の奇人として有名な人も、結局はテレビにでるために延々と奇行を頑張っていたという例もある。同じようにテレビにでたくてしかたないアイドルがそんな奇人に弟子入りして一緒に練り歩いているという話も聞いたことがある。そんな人ばかりならテレビ業界の人が「世の中の人はみんなテレビにでることが最終目標」と思ってしまってもしかたないのかもしれない。
だからどうするべきだとか、どうなってほしいか、という明確な要望のようなものはもっていないのだけど、ただちょっと、なんとなく嫌だなと思った。
傘と自転車はもっと進化してもいい。
今月、無職になり時間ができたのでロードバイクを買いました。あの、ハンドルが下にくいってなってるめっちゃかっこいいやつです。Bianchiなのに緑色じゃないやつにしました。安かったから。
子供のころからずっと「傘と自転車はもっと進化していい」と思っていました。中学生のころ乗っていた自転車はMIYATAのいわゆるママチャリです。通学するのに不自由はありませんでしたが、それでも漠然と「今の時代の技術ならもっと速くてもいいはず」だと考えていました。ロードバイクという存在を知ったのは友人Fくんからです。
当時自分とFくんとは「ママチャリでとにかく遠くへ行く」という遊びにはまっていて、北海道の何もない道を早朝に出発し昼頃に折り返して帰ってくるということを繰り返していました。あまりに過酷な道程に弱音を吐き「もっと楽な手段があるんじゃないか」とぼやく僕にFくんは「調べてみたんだけど、ロードバイクっていう自転車があるらしい」と教えてくれました。
僕らの住んでいた帯広市にも当然のことながらいくつもの自転車屋があって、どこかの店ではロードも買えたと思うのですが、中学生の僕らにはそれが自分たちにも乗れるという認識はまったくありませんでした。
中学校で使っていた英語の教科書にはランス・アームストロングが癌から復活したエピソードも載っていたし、北海道の人気タレント大泉洋が声優を担当した那須アンダルシアの夏も公開されていました。しかし実物を見たことはありません。
田舎の学問より京の昼寝という言葉もありますが、田舎の中学生だった僕らには、ロードバイクなんてものはハリーポッターの箒と同じくらいの存在感でした。
実際にロードバイクに乗るようになるのはそこから五年後、大学生になってからなのだけど、乗るようになってからはあの頃から抱いていた「もっと進化してもいい」という疑問に答えが出ました。自分が知らなかっただけで、めちゃくちゃ進化してました。
めちゃくちゃ速いし、めちゃくちゃ遠くまで行ける。
もちろん乗りこなすにはそれなりにきつい思いをして鍛えないと全然速くならないし遠くにも行けないのだけど、あの頃重いママチャリで北海道の山を登っていたことを考えればなんてことないはず。
もし中学生の自分と話すことができたら、お前が心配しなくても人間って色々進歩してるぞ、と伝えたい。
傘はもっと頑張れ。